2022-09-27
フランチャイズでスポーツクラブを開業する手順は?おすすめの親企業もご紹介
この記事をご覧の皆さんの中には、フランチャイズでスポーツクラブを開業する方法にはどのようなものがあるのかという疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。
スポーツトレーナーとしてある程度の経験を積んだのでそろそろ独立開業したいと考えているが、個人経営よりも資本が安定しているフランチャイズで開業したいと考える人がいても不思議ではありません。
そこで、今回の記事では、フランチャイズでスポーツクラブを開業する方法にはどのようなものがあるのかなどについて紹介していきますので一緒に見ていきましょう。
目次
1.フランチャイズ経営と個人経営との違い
スポーツクラブにおいて開業する場合にはフランチャイズで開業するか、個人経営で開業するかの2つの方法がありますが、両者にはいくつかの違いがあります。
具体的には以下のような違いがあります。
フランチャイズ | 個人経営 | |
ロイヤリティの支払いの有無 | 支払いあり。支払うことによって、その分フランチャイズ本部が持つ経営ノウハウや商標・屋号などを利用することができる。 | 特になし |
サポートの有無 | 親企業からのサポートを受けることができる。 | サポートを受けることはできず独力で開業の準備を行う必要がある。 |
契約期間の有無 | 基本的に決められており、その期間を超えて運営したい場合には、更新の契約を新たにかわす必要がある | 自身の都合で始めたり、やめたりできる。 |
スポーツクラブを新たに開業する場合にフランチャイズに加入するか、個人での開業を行うのかについては上記のような違いがありますので、これらの点について頭に入れておいてください。
2.フランチャイズのスポーツクラブの年収
フランチャイズのスポーツクラブの経営者になればどのくらいの年収が得られるのでしょうか、年収を決定づける要因としては以下のようなものがあります。
①お客様の人数と1人当たりの月額単価
②月額の固定費や変動費(家賃や光熱費、人件費など)
③ロイヤリティの支払額(変動型であれば売上の3~10%程、月額定額制であれば5~15万円程度となっている)
例えば、会員が100人ほどいると仮定した場合に、一人当たりの月額料金が1万円であると仮定した場合には月額売り上げが100万円となり、年間で1200万円という売上高になります。
また、家賃や光熱費、人件費などを合わせて売り上げの20%であると仮定した場合には1200×0.2=240万円となり、そこにロイヤリティの支払いが換算されたものがコストとなります。
具体的なロイヤリティの計算としては、変動型の場合1200×3~10%=36~120万円、定額制であれば5~15万×12=60~180万円程となります。
上記のコスト・ロイヤリティを合算すると、変動型の場合には、276~360万円、定額制であれば300万円~420万円となり、売上高の1200万円から差しい引いたものが手に残り、経営者の基本年収となります。
上記の計算のベースとなっている要因である人数や月額料金を2倍にするなどの経営努力の結果によっては年収1000万円を超えることも十分に期待することができます。
3.フランチャイズでのスポーツクラブ経営はビジネス設計がしやすいためおすすめ
フランチャイズでスポーツクラブ経営をする場合、顧客の単価が会費などで概ね決まっているため、ビジネス設計がしやすい特徴があります。
フランチャイズの加盟店になるための初期費用等も、回収までの算段を立てやすいのがおすすめの理由です。
ただ、運営していくでのデメリットもあります。ここでは、メリット・デメリットそれぞれについて詳しく解説していきます。
4.フランチャイズのメリット
フランチャイズのメリットには以下のようなものがあります。
開業時に親会社からのサポートを受けられる
フランチャイズのメリットの1つ目には、開業時に親会社からのサポートを受けられることが挙げられます。
スポーツクラブを開業する際には、店舗選びや内装工事、どのようなマシンを置くか、利益計算などの経営計画を自身で考えていく必要がありますが、自身でビジネスを立ち上げた経験がない人にとっては簡単な作業ではありません。
フランチャイズに加盟することによって、上記のような開業上必要になる準備やオープン後の運営上の問題についても親会社からのサポートを受けることができるので、起業などの経験が無くても円滑に開業しやすいです。
親会社のブランドを利用して開業できる
フランチャイズのメリットの2つ目には、親会社のブランドを利用して開業できることが挙げられます。
スポーツクラブを開業して経営を軌道に乗せるためには会員数を獲得していく必要がありますが、個人でスポーツクラブを開業した場合には利用者に認知されるまでに時間がかかるため集客を円滑に進めていくことは難しいです。
しかし、フランチャイズに加盟して開業することによって親会社が保有しているブランド力を利用することができ、開業の初期段階であっても円滑に集客をできるようになり、経営を安定させることが可能になります。
親会社の看板を利用することによって人材を確保しやすくなる
フランチャイズのメリットの3つ目には、親会社の看板を利用することによって人材を確保しやすくなることが挙げられます。
ある程度の規模のスポーツクラブを運営するためには人材を雇用することが必要になってくるのですが、個人のスポーツクラブである程度の人材を確保することは開業の初期段階ではなかなか難しいのが現状です。
しかし、ブランド力を持っている親会社の看板を利用すれば一定以上の実務経験を持つ人材を確保しやすくなるのでその面においても大きなメリットがあると言えるでしょう。
5.フランチャイズのデメリット
フランチャイズのデメリットには以下のようなものがあります。
ロイヤリティを親会社に支払う必要がある
フランチャイズのデメリットの1つ目には、ロイヤリティを親会社に支払う必要があることが挙げられます。
上記のメリットで説明したようにフランチャイズに加入することによって様々なサポートを親会社から受けたり、そのブランドを利用して開業したりすることが可能になるのですが、その見返りにロイヤリティを親会社に対して支払わなければなりません。
そのロイヤリティの額はスポーツクラブを運営していくうえで一定以上の負担になることがありますので、この点についてはデメリットであると言えるでしょう。
経営についての裁量権が小さい傾向にある
フランチャイズのデメリットの2つ目には、裁量権が小さい傾向にあることが挙げられます。
スポーツクラブを個人で経営する場合には、自身の方針に従って経営を行うことができるのですが、フランチャイズに加盟してスポーツクラブを経営していくためには親会社の経営方針に従って経営を行っていかなければなりません。
「このようにしたらスポーツクラブの経営がより上手く行くのではないか」というアイディアを考案したとしても、親会社の許可なしには勝手に方針を決めて経営を行うことができませんので、自由に経営したい人にとっては大きなデメリットであると言えるでしょう。
フランチャイズに加入してスポーツクラブを経営することには、上記のようなメリット・デメリットがありますので注意してください。
6.スポーツクラブ開業に必要なもの
フランチャイズでスポーツクラブを開業するためにはどのようなものが必要になるのでしょうか、具体的には以下のようなものがあります。
資格について
フランチャイズでスポーツクラブを開業するのに特別な資格を必ずしも要求されるわけではないですが、以下のような資格を取得しておくと便利です。
日本スポーツ協会公認スポーツ指導者
公益財団法人日本スポーツ協会公認の資格で、スポーツ指導に必要となる技術や科学的・医学的分野の知識などを幅広くカバーしているので、取得しておくと非常に利便性が高い資格となっています。
NSCA認定パーソナルトレーナー
この資格は、国際的に認知度の高いものとなっており、トレーニングプログラムに関する知識や施設運営、生活習慣などの知識を含めたスポーツクラブの運営に関わる幅広い内容を含んだものとなっています。
必要となる費用について
フランチャイズでスポーツクラブを開業する際にかかる費用としては、おおよそ200~300万円程度必要となるようです。
加入するフランチャイズによってはどのような器具を導入するかなどが異なっており、最新型の器具の導入や物件の改修、セキュリティ面の整備などの初期に行う開業準備の内容によっては200~300万円大幅に超え何千万円という費用がかかる事例もあります。
このように必要となる初期費用にはある程度の幅があるので、詳しい内容は加入するフランチャイズに問い合わせてみてください。
7.フランチャイズでのスポーツクラブ開業の流れ
フランチャイズでのスポーツクラブ開業の流れはどのようになっているのでしょうか、基本的な流れは以下のようになっています。
①説明会への参加(フランチャイズへの加盟に関する説明会のことで、この説明会に参加することによって事業計画や収支プランなどの事業についての情報の収集ができます。)
②選択したフランチャイズへの加盟を申請する(選択したフランチャイズへの加盟の申し込みをし、加盟金や保証金などを支払います。)
③物件の選定や内装工事(開業するための店舗についての賃貸借契約や内装工事を実施する。なおフランチャイズによってはこれらについても手厚いサポートがある場合が多いので確認してください。)
④スタッフの採用と研修(上記の項目と同様にフランチャイズによってはこれらについても手厚いサポートがある場合があります。)
上記のような流れに沿ってフランチャイズでのスポーツクラブの開業を行うことになりますので、大まかな流れを押さえておいてください。
8.フランチャイズの親会社選びにおけるポイント
親会社選びのポイントとしては以下のような項目があります。
ジムの事業形態の確認
親会社のスポーツクラブの事業形態が通常のスポーツクラブなのか、24時間営業のジムなのか、パーソナルジムなのか、女性専用のスポーツクラブなのかなどを確認することによって自身が運営したい事業形態であるかを確認しましょう。
親会社の経営方針が自身の方針と合致しているか
上記のような事業形態において自身の実現したい経営上のビジョンがあったとしても、親会社の経営方針がそれと全く異なる場合には自身の希望を実現することができないので、この点についても事前に確認しておきましょう。
サポート内容の充実度の確認
ジム経営の基本的部分に関するサポートのみを行うのみなのか、店舗運営の詳細な項目をも網羅してサポートしてくれるのかを確認しましょう。
上記のようなポイントに注意して親会社選びを行いましょう。
9.フランチャイズでスポーツクラブを開業する際におすすめの親企業
おすすめの親企業にはどのようなものがあるのでしょうか、具体的には以下のようなものがあります。
エニタイムフィットネス
エニタイムフィットネスとは、世界28カ国4,800店舗の店舗数を運営している大手スポーツクラブの運営会社で、日本国内には約900店舗を構えています。
エニタイムフィットネスのフランチャイズ契約では、ビジネスモデルや事業計画、開業までの手順に関する丁寧な説明が受けられるうえ、物件確保(自社所有・テナント入居)、店舗施工、スタッフ採用・研修などに関するサポートも手厚いです。
オンラインで事業に関する説明を受けることができるので、気軽に相談をすることができます。
コナミスポーツクラブ
コナミスポーツクラブとは、コナミスポーツ株式会社が運営している国内大手のスポーツクラブのことで日本国内に386施設もの施設数を構えています。
コナミスポーツクラブのフランチャイズに加入することによって、効果的なマーケティングの実施、長年蓄積した運営ノウハウの利用、直営施設と共通の会員管理システム導入による情報管理の効率化、などの大きなメリットを享受することが可能です。
また、出店場所選びや設計デザイン、運営ノウハウ、研修システムなどのサポートが充実しているので安心して開業することができるでしょう。
FÜRDI(ファディー)
FÜRDI(ファディー)とは、ドイツ発祥の人工知能技術を搭載したマシンを配置する女性専用のフィットネススタジオのことで欧州9カ国、550店舗以上展開しており、日本でも既に18店舗を構えています。
AIトレーナーを配置することで、人間のトレーナーの人数を少なくおさえて低コストでの開業が可能なうえ、フランチャイズ加入後には店舗の運営やシステムに関する研修や運営上のアドバイスなどの充実したサポートを受けることが可能です。
今後世界的に人口知能の活用が進んでいくことが予想され、それはフィットネス分野においても普及が加速していく可能性もあることから、FÜRDI(ファディー)の将来性には十分期待できるのではないでしょうか。
10.まとめ
以上、フランチャイズでスポーツクラブを開業する方法についてご紹介しました。
スポーツクラブを開業する際には、ビジネス計画の立案や資金計画など様々にわたる分野に関する知識が必要になりますが、フランチャイズに加入することでそれらの分野に関するサポートを受けることができるので開業のハードルを下げられます。
スポーツクラブの開業を考えている方は、今回の記事で説明した内容を参考に、フランチャイズでスポーツクラブを開業することも検討してみてはいかがでしょうか。
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