2023-01-20
整体院で集客効果のあるチラシを作るポイントは?知っておきたい注意点や考え方も徹底解説!
整体院を始めるうえで、周囲のお客さまに自院を知ってもらうためにはどうしたらいいでしょうか。様々な宣伝方法がありますが、今回はその中でも「チラシ」についてご紹介したいと思います。
目次
1. 整体院でチラシを制作・配布するメリット
様々な業態のお店で制作・配布されている「チラシ」。皆さんが生活をする上でも様々なチラシを目にする機会は多いはずです。一方で、デジタル化が進む現代にチラシを制作・配布をするのは本当にメリットがあるのか悩む人もいるのではないでしょうか。実は、整体院でチラシを制作・配布するのにはとても大きなメリットがあるのです。早速見ていきましょう。
周辺地域での認知度が上がる
整体院は、患者さんに継続して通院してもらう必要があるため、店舗周辺の地域の人に支持される必要があります。チラシの配布を行うと、整体院に通える範囲の地域の方々に見てもらいやすく、近所なので、整体院の所在地もすぐ把握してもらえるのです。もちろん看板広告やホームページ、SNSでの宣伝も効果がありますが、直接手に渡るチラシは、何よりも人の心に残ります。
WEB情報を見ない方にもアプローチできる
J-Net21の統計によると、整体院・整骨院を利用している年齢層は、40歳以上の男女が多いということがわかります。20代の若者世代とは違い、インターネットが苦手な人も多く、SNSやホームページを熱心に更新していても、集客効果が見込めない場合があります。一方で、チラシを配布すれば、周辺地域の中高年の方にも周知してもらいやすくなり、来院のチャンスが格段に増えるのです。
コミュニティ内で紹介されやすい
中高年以上の方々は、SNSではなく人と人のつながりを大事にしている人が多いため、様々なコミュニティに属している場合があります。そのためチラシを配布しておけば、誰かがコミュニティにチラシを持ち込み、口コミや紹介に繋がる可能性が高いです。1人では行きづらいという方が、コミュニティ内の友人と一緒に来院したり、家族へ広めてくれるといったチャンスもあります。チラシ1枚が、受け取った人だけではなく、様々な人に周知するためのアイテムとなるのです。
2. 整体院がチラシを作る前に知っておきたい広告規制
チラシを制作・配布するメリットが分かりましたね。しかし、チラシを制作するにあたって広告規制について知っておかなければなりません。「規制!?何だか怖いな…」と思う方もいるかもしれませんが、大丈夫です。いくつかのルールを守れば問題なくチラシを制作・配布を行うことが出来ます。大事なポイントになるので、必ずチェックしておいてください。
集客用チラシに広告規制の違反があった場合
もしも、制作したチラシに広告規制の違反があった場合、どうなるのでしょうか。通常、違反が発覚した場合は指摘が行われ、表記などの改善を促されます。しかし、指導を無視して問題がある広告をそのまま使用したり、中止や改善をしなかったりすると刑事告発される可能性も。また、行政指導後の報告を怠る、虚偽の報告をするといった場合にも罰金が科されます。このような事態にならないためにも、広告規制に関する知識を付け、時には専門家の手を借りるなどして対応してください。万が一、行政指導が入ってしまった場合は、速やかに改善・報告をするようにしましょう。
医療法
医療法は医療を受ける者が適切な選択をして、健康を保持するために2006年に制定された法律です。医療法と聞くと医療機関以外対象とならないように感じますが、整体院で扱うことが多いマッサージ要素の強い整体やカイロプラクティック、電気療法などが医療類似行為に該当します。そのため、整体院であっても患者さん側が自身の目的に合った適切な施術を受けられるよう、医療法を遵守することが重要です。
整体院がチラシを制作する上で注意すべき医療法のポイントとしては、誤解や過度な期待を与える可能性がある文言・画像などを使用しないことが挙げられます。例えば「肩こりは○○○○施術で解決!」「安全・無痛」のような文言や、よくある施術前後の猫背ビフォーアフターの画像などを使用した場合、自分も同じような結果が得られると誤認される可能性が高いです。
チラシを制作する際には、全ての人に当てはまると誤解されない内容かどうかを考えて制作しましょう。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(通称:あはき法)
あはき法はあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等の免許の所持、免許取得方法、外科手術や薬品の投与の禁止、医師の同意を得ずに施術することの禁止などを定めています。
整体院で行うのは「医業類似行為」であり「医業」ではないため、医療行為を連想させる広告表現を使用するのはNGです。例えば「治療」「診察日」「診療中」といった言葉は患者さんが誤解してしまいかねないので、「施術」「施術曜日」「施術中」といった言い方に直す必要があります。
柔道整復師法
こちらは第24条に広告の制限について記載があります。柔道整復師法で記載できる事項は「柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所」「施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項」「施術日または施術時間」「その他厚生労働大臣が指定する事項」です。
プロフィールを掲載するのはOKですが、整体師自身の経歴や施術件数は記載不可能となっています。インターネットでの経歴紹介は可能なため、ホームページを制作後、チラシにQRコードを掲載するなどの対策が必要です。
また「施術方法に関する写真」「肩こり、冷え性といった適応症の記載」「来院を促す表現」「施術にかかる料金の記載」などもチラシに掲載することはできません。院内で表現できる内容はチラシより緩いため、実際に来院していただいた方のために院内での情報掲載はしておくといいでしょう。
医薬品医療機器法(旧薬事法)
こちらの法律は、医薬品や医療機器の有効性・品質を損なわないために作られました。
サプリメントや健康食品を取り扱っている場合、これらの効果を表示するのは違反となり、規制されています。そのため、健康器具を使用した施術には「治る」という表現を使う事が出来ません。
また、整体院で健康食品の販売などを行っているという情報をチラシに掲載した場合「薬事法68法 承認前の医薬品等の広告の禁止」に抵触する可能性があります。さらに、医薬品的なものの用法・用量を表示する、疾病や外傷の回復を目的とした内容の表記も禁止です。
改定医療広告ガイドライン
2018年6月に施行されたガイドラインです。こちらは明確に対象者を決めていないため、整体院等でも医療に関する表現をすれば、規制の対象になります。
広島県の「医療広告ガイドライン」の改定についてを参照すると、「医療広告を行う者は、その責務として、患者等が内容広告を適切に理解して、適切に治療等を選択できるよう、客観的で正確な情報の伝達に努めなければならない。」と書かれています。
整体院で医療行為を行うことは出来ませんから、こちらのガイドラインに表記されている事項に抵触しないよう、チラシを制作しましょう。チラシやホームページにも適用されるガイドラインですが、院内の掲示物はその限りではありません。
景品表示法
消費者庁によると、景品とは「顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する物品、金銭その他の経済上の利益」と定められています。
この法律は、こうした景品や広告の表示につられて商品を購入、契約させるなどの消費者にとって不利益となることを防止する法律です。「絶対に」「確実に」と言った表記は「優良誤認」となるため禁止となり、記載した内容が他社より優れている表記は「有利誤認」となるため禁止になります。
現在、ホームページや院内の掲示物に関しては規制の対象外ですが、今回取り上げているチラシは規制対象となるので注意してください。
結局チラシには何を掲載していいの?
柔道整復師である旨と氏名・住所の記載はすることができます。また、施術所の名称や電話番号、所在の場所を表示する事項も掲載可能です。さらに、施術日や施術時間も記載できるので、基本情報はチラシに載せてもいいと思って差し支えありません。プロフィールに所有資格を明記することは可能です。
しかし、これまでの経歴や施術件数は記載することができません。広告が規制される理由としては、何よりも「患者さんの保護」が挙げられます。大げさな広告や嘘の広告を表示することで、患者さんが困ってしまわないよう、この制限が設けられたのです。
3. 集客に繋がる整体院のチラシ制作のポイント
続いては、規制がある点を踏まえて、どのようなチラシを制作すべきかポイントを押さえる必要があります。「チラシをせっかく制作したのに、集客が見込めない…」などということにならないように、チラシ制作のコツを掴んでおきましょう。
印象的・わかりやすいキャッチコピー
チラシは何と言ってもすぐに理解できる情報を載せることがポイントです。以下で説明するアクセス情報や営業時間も載せなければならない情報ですが、まずは「このような特色がある」といった内容について、分かりやすい言葉を用いて理解してもらわなければなりません。
さらに、子どもが見ても理解できるようなわかりやすいキャッチコピーを使用すると、チラシを見た方に好印象を持ってもらいやすいです。
院長・スタッフ・院内の写真
院長やスタッフの写真を掲載しておくことで、「この人が私に施術をしてくれるのか」と患者さんが来院時の想像をしやすくなります。また、院内の写真をいくつか掲載することで、落ち着いた空間である、清潔な環境であるといった安心感を与えることが可能です。
手まきの場合は、実際にチラシを配っている人と、チラシに掲載されている人が同一人物だと認識してもらえるので、ポスティングなどよりもより安心感を与えることができます。
QRコード
ホームページやSNSを利用している整体院であれば、QRコードを掲載するのをオススメします
チラシにはわずかな情報しか掲載することができませんが、ホームページであればより詳細に整体院の紹介を載せることができます。また、SNSをこまめに更新している整体院であれば「今日は営業しているか」といった疑問を即座に解決することが可能です。
整体院の広告手段は紹介したチラシ、ホームページ、SNSがありますが、どれか一つに力を入れるよりは、満遍なく活用した方が効果が期待できます。
アクセス情報・駐車場の有無
「ぜひ施術を受けたい」と思ってくださる患者さんがいたとしても、整体院の場所が分からなければアクセスすることができません。都内にある整体院であれば交通機関を利用して来院することができますが、郊外や地方の整体院の場合、車で来院する必要があります。
また、患者さんによっては1人で来院することが難しく、ご家族に車で送迎してもらわなければならないことも想定しなければなりません。その際に必要になるのがアクセス情報と、駐車場の有無です。かならずチラシ制作をする際には情報として入れておくようにしましょう。
営業時間
営業時間が分からなければ、いつ来院していいのか分かりません。
何度も通院している患者さんであれば、ある程度の時間を把握していますが、チラシを見て「ぜひ行ってみたい」と思ってくださった新規の患者さんにとっては、何よりも先に知りたい情報です。
休みの日はいつなのか、昼だけでなく夕方も施術は行っているのか等、社会生活を送っている患者さんの場合、来院時間の融通が利くかはかなり重要なポイントになります。
もちろん電話などで聞くこともできますが、まだ行ったこともない場所に電話をするのは勇気が要りますよね。「それだけの手間がかかるなら、行くのはやめておこう」と、せっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。
そのため、営業時間は大きい文字で分かりやすく書いておく必要があります。
4. 整体院がチラシを制作・配布する上でのポイント
ターゲットをある程度明確にする
皆さんが開業をした際も、「どのような患者さんに来ていただきたいか」を考え、自費メニューの制作をしたと思います。
チラシを制作する際にも、「誰に興味を持ってもらいたいか」を明確にすることが大切です。年齢層が高い地域の場合は、高齢者に見てもらえるよう文字を大きくする工夫が必要ですし、若年層が多い地域であれば、若い人やスポーツをする人に興味を持ってもらえるチラシ作りが必要になります。
また、近隣にショッピングセンターなどがある場合は、そのショッピングセンターの客層を調べることでより具体的なデザインを提案することが可能です。ターゲットを明確にすることで、効果的な販促をするにはどうすればいいか、より詳細に案を練ることができます。
会員制やサブスクの自費メニューについてはこちらの限定セミナーも参考にしてみてください。
チラシデザインは見やすく分かりやすいデザインに
これは整体院のチラシだけではなく、どのような業種でも気を付けなければならないポイントです。
まずは安心感を与えるために、院内の雰囲気が分かる写真を掲載しましょう。この時、院長やスタッフの写真を載せるのも効果的ですが、施術の写真はNGのため気を付けてください。また、フレッシュな印象を持ってもらうために、カラー印刷をするのが望ましいです。
一方で、派手なチラシを制作してしまうと「この整体院はどんな場所なのだろう」と疑問を持ってもらえても、来院にはつながりにくくなってしまいます。地味すぎるチラシも問題ですが、整体院に求められる「安心感」「清潔感」を与えるようなデザインを心がけましょう。
チラシの配布方法
チラシを配布してから、来院するまでには時間がかかります。そのため、チラシを配布しても新しい患者さんは増えないのではないか?と思われがちです。
しかし、配布後数週間が経過してからの来院は余り珍しい話ではありません。1度だけではなく、何度も根気強く配布をすることが大切です。
配布方法としては「折込チラシ」「ポスティング」「手まき」があります。「折込チラシ」は広範囲に配布することができますが、繰り返し配ることが重要です。
「ポスティング」は折込チラシよりも反響率が高く、新聞をとっていない家庭にも配布することができます。「手まき」は、ティッシュ配りと同じ要領で、駅前などで手配りをする方法です。直接顔を見ながらチラシを渡すことができるため、安心感は格段に上がります。
新患がチラシを見てきたのかどうかを調べる
新しく来院して下さった患者さんには、「どこでここの整体院を知ったのか」についてアンケートを取ることをオススメします。
統計の取り方としては、最初に書いていただく問診表にアンケートの欄を記載したり、問診時に口頭で確認する方法が確実です。こうして統計をとることで、「チラシを見て」という方の割合や人数を確認し、チラシの作成・配布にかけるコストの検討に活用することができます。
そもそもどういうマーケティング戦略をすべきかはこちらの記事で解説しているのでそちらも合わせて参考にしてください。
5. まとめ
整体院を広告する上でチラシを用いる方法をご紹介しました。チラシ制作の上で守らなければならない法律はいくつもあり、その点を踏まえ、より良いチラシを制作するために気を付けるべきポイントや、配布の方法を考える必要があります。さらに、新しい患者さんにアンケートを取ることで本当に効果があるかを調べる必要があることもお伝えしました。ぜひ本記事での情報を活かし、より多くの患者さんに利用してもらえるよう、チラシをはじめとした広告に力を入れていきましょう。
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