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動作観察・解析のポイントとは?解析に便利なアプリも合わせてご紹介

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患者さんの治療経過を追う際や、スポーツの場面においては正しい知識を持ち合わせたうえでの動作観察・解析が重要です。

今回は、実際に動作観察・解析を行う際にはどのようなことに気をつければよいか、また動作解析が行えるアプリも一緒にご紹介します。

1.動作観察の具体的なポイントと方法

動作観察の論文は多数発表されていますが、ここでは以下の論文の要約をメインに解説しています。

動作観察・動作分析

動作観察のポイント

まず、動作観察のポイントについてです。
患者の動作観察を行う際は、下記の3ポイントを念頭においておく必要があります。

  1. この動作がなぜできないのか
  2. 何が異常性なのか
  3. 何が健常者と違うのか

動作観察を行う際、動作の異常性を認識するためにはまずは健常者における正常動作を理解する必要が生じてきます。

健常者の動作の過程を言葉にして表す習慣をつけたり、観察対象の動作を自分でも真似をして動いてみたりと、言葉と動作それぞれで理解をすることがポイントになります。

また、一定の環境だけではなく、測定する環境を変えることも重要になります。これは、環境を変えることでどの動作が苦手なのかが明るみになり、問題点が考えやすくなるためです。

動作観察の具体的な方法

動作観察の具体的な方法は、主に以下の2つです。

  • 動作観察の結果を書き記す
  • 観察対象の動作を真似する

動作観察の結果を書き記すことで、正常な動作との比較がしやすくなり、どの段階におけるどの動作が異常にあたるのかを見分けることができます。

正常動作を正確に把握しておく必要がありますが、かなり有効な方法です。

観察対象の動作を真似することも非常に有用です。

真似をすることで、どの動作において、どんな力が入っていて、どんな動きの癖があるのかを自分の身体で感じることができます。

文面で表すのが難しい治療者にとっては、非常に利用しやすい方法となります。

2.歩行における動作観察のポイント

歩行の動作観察を行う際、歩行の動作において、身体の関節それぞれはどのような動きをしているのかを把握しておく必要があります。

この時、関節運動のみに目を向けるのではなく、身体それぞれの部位がどの向きで固定されているかも注意深く観察していくことが大切です。

例えば、歩行の最終段階である踵接地の際には、膝関節は完全伸展をしていて、足関節は背屈しています。動作の中で、関節がどのような動きをして、どの位置で固定されている状態が正常なのかを把握しておくことで、異常な動作を見抜くことに繋がります。

歩行分析のポイントや観察結果の書き方については、以下の記事も参考にしてみてください。

歩行分析のポイントとは?歩行観察ポイントや観察結果の書き方を解説

3.動作観察内容の記録に関する注意点

動作観察の内容を記録する際は、以下の2点に留意する必要があります。

  • 観察した運動がわかるような量的な記述から始める
  • 動作を分解して相にわける

観察した運動がわかるような量的な記述から始める

動作観察の結果を記録する際は、観察した運動が大まかにわかるよう、量的な記述から始めます。歩行であれば、独歩であるのか、T字杖などの補助具を用いた歩行であるのかなどを記載します。

また、杖歩行であれば、2点歩行であるのか、3点歩行であるのか、支持面の数も記載するします。

その他にも、寝返りであれば対称的な起き上がりであるのか、非対称で左側から起き上がるのかなどです。

他の治療者が文章を見たときに、簡単に再現できるように記載をすることが重要になってきます。

動作を分解して相にわける

これは主に理学療法などの医療従事者に求められる内容になりますが、動作を相に分けて記載する必要があります。

歩行動作の場合であれば、踵接地⇨足底接地⇨立脚中期⇨踵離地⇨足趾離地など、具体的に身体運動がイメージできる相に分けて記述していきます。

相の名前に関しては、論文や参考書などで広く使用されいているものが好ましいです。オリジナルなものを使用する場合には、明確に定義付けする文章を記載することを忘れないように注意します。

4.具体的な動作分析方法

動作分析の基本は、「動作観察によって明らかになった患者の動作パターンを検討すること」です。

具体的には、以下の5つの過程を経て分析していきます。

  1. 問題となる基本動作の実用性の要素を明確にする
  2. 異常な部分はどこか、動作のどの相で異常が起こるのかを明らかにし、左右差を比較する
  3. 基本動作の観察で抽出された問題の原因を機能障害レベルで予測する
  4. 予測された機能障害を客観的にとらえるために必要な検査項目を選択して実行する
  5. 実際の検査結果から、問題となる基本動作の原因をまとめる

①問題となる基本動作の実用性の要素を明確にする

動作ができるかどうか、ではなく社会的に実用可能かどうかを基準に判断します。
欠点をを探して是正するのではなく、より生活で利用できる方向に分析を行います。

②異常な部分はどこか、動作のどの相で異常が起こるのかを明らかにし、左右差を比較する

健常者の正常な動作と比較して、異常な動きはどこかを探し出します。

このとき、関節1つのみに着目するのではなく、動作に関わる関節すべてを対象にして分析をすることで、より有用な分析結果になります。

③基本動作の観察で抽出された問題の原因を機能障害レベルで予測する

動作の異常を発見したら、その異常は何が起因となっているのかを機能障害レベルで予測します。

機能障害レベルの問題には、関節可動域制限、筋力低下、感覚障害などが挙げらます。

④予測された機能障害を客観的にとらえるために必要な検査項目を選択して実行する

不必要な検査は極力控え、機能障害を客観的に評価するために検査項目を吟味していく必要があります。

動作観察から評価を進めていけば、無駄な検査項目を省くことにつながるため、効率がよくなります。

⑤実際の検査結果から、問題となる基本動作の原因をまとめる

実際に検査をしてみた結果として、問題と予測していた検査結果が正常の判定になった場合、再度ここまでの動作分析の過程を行うことが必要になります。

5.動作分析はスマホやタブレットを使用して行うと便利

 

動作分析というと、以前はデジカメやビデオカメラを使用して行なったり、機材を使わずに目視で行ったりする方法が一般的でした。

最近はスマートフォンやタブレットを使用して動作解析を行うことが多くなってきています。以下の理由から、スマートフォンやタブレットは動作解析において非常に便利です。

  • 取り出してすぐに撮影できる
  • 撮影した写真、映像をすぐ確認できる
  • スロー再生に対応している機種が多い

アプリや動作解析専門のソフトウェアと組み合わせると、より効果を発揮するため、現場での使用はかなりおすすめです。

6.動作解析に便利なアプリ・ソフトウェアをご紹介

動作解析を行う際に、スマホやタブレットで動画を撮影して、解析を行う場面が多いと思われます。
左右差の比較や、健常者の動作との比較を行いたい場合には非常に有用なアプリをご紹介します。

シセイカルテ

シセイカルテはiPadを使用して動作解析・姿勢分析ができるアプリです。

接骨院やスポーツジムなどで多く導入されているアプリであり、複数の角度から姿勢を撮影することで、評価レポートの作成ができるものです。

動作解析として追加される機能は以下のものを予定しています。

  • 過去動画との比較機能
  • AIによる骨格ポイント付けの自動化

過去の動画を探す手間が省けることと、ランドマークを触知してマーキングをしなくてもよいメリットがあるため、現場でもより簡便に使用できます。

公式サイト:https://www.shisei-karte.com/motion

シセイカルテの整体院様での活用事例治療院様での活用事例はこれらをご参考にしてください。

 

SPLYZA Motion

SPLYZA Motionは、撮影した動画にマーキングをして、どの関節がどの程度の速度で動いているのか、どの程度の角度変化を伴う運動になっているかを解析できるアプリです。

体表面から触知できるランドマークに関する知識と、120fpsのスローモーション撮影に対応しているiPhoneがあれば使用可能なアプリです。

※Androidではリリースされていないのでご注意ください。

これがあれば、目視で確認できないレベルの動きの癖をデータとして残して置けるため、動作を定量的に捉えることに役立ちます。

公式サイト:https://products.splyza.com/motion/

 

7.まとめ

動作解析は、目視で行う場合には非常に多くの経験を積む必要がありますが、アプリやソフトウェアを使用することによって、熟練度に関係なく解析を行うことができます。

シセイカルテでは、膨大な知識や経験をカバーするため、AI解析を用いた姿勢分析のサービスを提供しています。

近日中に動作分析の機能が追加されたサービスのリリースを予定しているため、詳細が気になる方は以下のリンクよりお気軽にお問い合わせください。

姿勢分析の機能としては、すでに多くの治療院やスポーツジムでの導入実績があります。ご契約頂いている施設様のお声はこちらをご参照ください。

→  導入事例一覧 | AI姿勢分析システム

多くの知識を経験が必要になるものでも、ITによって解決する場合もあります。自分が持ち合わせているものの中で、より最適な治療選択ができるように環境を整えていきましょう。

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