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姿勢評価のやり方を4ステップで解説|手順・評価基準・注意点も紹介

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患者さまの姿勢を評価することで、治療方針の決定や治療効果の測定に大いに役立ちます。

しかし、姿勢評価には多くの方法があり、どの基準で評価を行うべきか、またどの点に注意するべきかなど、悩むことも多いでしょう。

この記事では、姿勢評価における重要な観察ポイント、具体的な手順、そして注意点を詳しく解説します。姿勢評価は、治療成績の管理に役立つだけでなく、患者さまの満足度にも直結する重要な部分になるので、ぜひ参考にしてください。

姿勢評価を取り入れることによる治療院のメリット3選

姿勢評価を取り入れていないという治療院も少なくありません。確かに必ず行わなくてはならないものではありませんが、施術と経営のそれぞれの観点において、姿勢評価を取り入れることで得られるメリットは多くあります。

姿勢評価の効果を最大化するためにも、まずは姿勢評価をすることによって得られる治療院のメリットを押さえておきましょう。

姿勢評価を取り入れることによる治療院のメリット

  1. 施術効果を最大化できる
  2. 患者さまに施術の効果を実感してもらいやすくなる
  3. 予防的アプローチを強化できる

1.施術効果を最大化できる

施術前に姿勢の評価をしておくことで、患者さまの身体の歪みや患者さま自身が気付いていない潜在的な問題を把握できます。評価結果をもとに患者一人ひとりの姿勢に基づいた治療プランを立てることで、施術の精度が高まります。

患者さまが感じている痛みの改善はもちろん、姿勢の課題に応じて適切な施術をすることで身体の不調を根本から改善できます。

2.患者さまに施術の効果を実感してもらいやすくなる

定期的に姿勢評価を行い、身体の状態を定量的にフィードバックすることで、患者さまは治療の効果を体感だけでなく、数字としても実感できるようになります。

身体の歪みが実際にどの程度改善されたのかなど、施術による身体の変化を明確にすることで、次の治療へのモチベーションアップにつなげられまます。

体組成や筋力などの測定は数多くの機器が出回っているため、どこの施設でも評価することができますが、姿勢評価はなんとなく口頭で伝えられることが多いため、明確に評価することで他との差別化を図ることもできますよ。

3.予防的アプローチを強化できる

姿勢評価を行い、患者さまの身体の状態を詳細に把握することで、将来的な姿勢の歪みや、それによる二次的な障害を予防するための効果的な対策が可能になります。

現在の不調を改善するだけでなく、患者さまの身体に合わせた日常生活での姿勢改善を促進することで、施術効果を最大限に引き出すことができますよ。

4ステップですぐできる!姿勢評価のやり方

では、具体的にはどのように姿勢を評価したらよいのでしょうか。

適切な姿勢評価を行うためには以下4つのステップに沿って進めていきましょう。

  1. 姿勢を評価する方法を決める
  2. 適切に姿勢を評価するための準備をする
  3. 基準に従って姿勢を評価する
  4. 評価を記録する

ここからはそれぞれのステップを詳しく解説していきます。

ステップ1.姿勢を評価する方法を決める

姿勢を評価する方法は大きく3つあります。患者さまの状態や治療院の環境を考慮して最適なものを選びましょう。

姿勢を評価する3つの方法

  • 静的観察
  • 写真撮影
  • 姿勢分析ツールの活用

静的観察では、患者さまが立っている、座っている、または横になっている姿勢を観察し、全体的な姿勢のバランスをチェックします。

写真を撮影して姿勢評価を行う場合は、患者さまの姿勢をさまざまな角度から撮影し、体のバランスや対称性、姿勢の歪みなどを視覚的に分析します。

姿勢分析ツールを活用する場合は、センサーシステムもしくはアプリケーションを利用して姿勢評価を行います。

センサーシステムは、姿勢センサーやモーションキャプチャシステムを活用して、リアルタイムで姿勢を計測する方法で、アプリケーションでは、スマートフォンやタブレットのアプリを使用して、姿勢をデジタルに分析します。

ステップ2.適切に姿勢を評価するための準備をする

姿勢評価をする際には、主に「ランドマーク」と呼ばれる、身体上の突出した部分を基準に計測します。

  • ランドマーク(正面):肩峰、肋骨下部、上前腸骨棘
  • ランドマーク(側面):乳様突起、肩峰、大転子、膝関節、内・外果

適切な姿勢分析を行うには、ランドマークの正確な把握が重要です。

静的観察や写真撮影を行う際には、ランドマークにシールなどで印を付けて、視覚的に確認しやすい状態にしておきましょう。

姿勢分析ツールでは、自動的にランドマークが認識されることも多いため、ちょっとしたスペースがあればすぐに姿勢評価ができるものもあります。

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一方で、指定のマットやセンサー用三脚スタンドなど、準備が必要なツールもあります。ツールを検討する際には、準備のしやすさも考慮して選ぶことをおすすめします。

ランドマークの触診に関しては、触診の参考書やYouTubeなどを参考にして触診してくださいね。

参考書例:運動療法のための 機能解剖学的触診技術 上肢

ステップ3.基準に従って姿勢を評価する

姿勢の評価基準は、各ランドマークをつないだつないだ線分が、正常な範囲からどのくらい逸脱しているかで評価します。

  • ランドマーク(正面)肩峰、肋骨下部、上前腸骨棘
  • ランドマーク(側面)乳様突起、肩峰、大転子、膝関節、内・外果

基本的には、姿勢評価には定量的な評価基準がないため、写真を撮影して左右の差を計測したり、各ランドマークをつないだ線分と正中線からの距離を測定するなど、評価方法に応じた基準をもとに評価を行います。

姿勢評価では、ランドマークからの距離だけでなく、左右のランドマークをつないだ線分の傾斜角度も評価項目に加えると、より包括的な評価ができます。

重要なのは、姿勢評価が「正常な状態」を基準にして行われるものであることです。患者さまごとの骨格や体質を考慮し、評価結果を適切にフィードバックするよう心掛けましょう。」

ステップ4.評価を記録する

姿勢を評価したあとは、その評価を記録しておくことも重要です。姿勢のデータをもとに、患者さまごとに最適化された個別の治療計画を立てたり、治療やリハビリの進捗を患者さまに共有することで、自己管理の意識を持たせ、姿勢改善の意識を高めることができます。

事前に姿勢評価シートを準備しておき、姿勢を評価しながらシートに各項目についてのスコアや評価を記入します。

姿勢を評価する際には、以下の2つのポイントに注目しましょう。

  1. 前額面のランドマークを評価する
  2. 矢状面のランドマークを評価する

前額面のランドマークを評価する

前額面のランドマークを評価する際には、左右の対称性をチェックし、左右の偏りがあるかどうかを確認します。また、足底面と身体の重心が垂直線上にあるか、全身の重心が骨盤内に位置しているかも一緒に確認しましょう。

さらに、へそのあたりから頭のてっぺんまでが一直線上にあるか、体重を支えている足が垂直になっているか、踵から垂直線上に坐骨や肩甲骨が位置しているかもチェックすることが大切です。

矢状面のランドマークを評価する

矢状面(しじょうめん)は、身体を前後に貫いて左右に分ける面で、この面に沿って「屈曲」や「伸展」といった動きが行われます。

姿勢分析では、重心線が外果(腓骨の下端が突出した部分)から垂直に、大転子、肩峰、耳垂、頭頂を通るかどうかを確認します。左右両側から観察することで、水平面での動きや姿勢のバランスも評価できます。

当社のAI姿勢分析ツールでは、姿勢の歪みをAIで簡単に可視化し、数値化・スコアリングまで行います。シート記入の手間も省けるので、患者さまとのコミュニケーションにより注力できるようになります。

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姿勢を評価するうえでの2つの注意点

姿勢評価は施術の精度向上や患者さまの満足度向上に非常に効果的ですが、一方で、姿勢評価が不正確だったり、施術の効果が評価結果に反映されていないと、患者さまに不信感を抱かせるリスクがあります。

ここからは姿勢を評価するうえで、注意しておきたいポイントについて解説しますので、しっかり押さえておきましょう。

写真撮影で姿勢評価を行うときは測定結果に一貫性を保つよう注意する

写真を用いて測定を行う際には必ず三脚にカメラやスマホを固定して、測定ごとに写真の傾きや縮尺に差異が生じないよう気をつけましょう。また、カメラを設置する際も、床に印をつけておくなど撮影した距離が変わらないようにする工夫が必要です。

測定者によって測定結果に差異が生じてしまうと、正しく姿勢の変化を記録できなくなってしまいます。スタッフ間で測定項目を共有しておくと効率よく、かつ正確な測定ができますよ。

測定に使用した写真は、個人情報に留意しながら対象者ごとに保管しておき、過去との比較ができるようにしておきましょう。

ネガティブな姿勢の評価結果が出た場合は不安感を解消するためのフォローをする

姿勢の評価結果がネガティブなものであった場合、ただ結果が悪かったことだけを伝えてしまうと、患者さまにとっては大きな不安を感じることもあるでしょう。

評価結果が悪くなってしまった場合は、私生活の中で姿勢を悪くしてしまう原因はないかを一緒に考えたり、施術による一時的な影響によるものであることをきちんと説明したりするなど、不安を和らげるための適切なフォローが重要です。

スタッフによる評価のバラつきを解消するには姿勢分析システムが便利!

前述の通り、スタッフによる評価のバラつきを解消し、統一された基準でより高精度な評価をしたい場合には、姿勢分析システムを活用するのがおすすめです。

姿勢分析システムは、三次元動作解析装置のように、身体全体をxyz軸で評価するシステムもありますが、あまりにも高価なため、導入のハードルが高いと感じることもあるでしょう。そこで、比較的リーズナブルに導入できるシステムとして、「シセイカルテ」がおすすめです。

シセイカルテなら、AIがスマートフォンやiPadで撮影した写真から姿勢を分析し、数値やグラフで分かりやすく表示してくれます。そのため、専門的な知識がなくても誰でも精度の高い姿勢評価が可能です。

シセイカルテの特徴①姿勢の歪みをAIが数値化

姿勢分析システム

身体の歪みやズレの度合いをAIが詳細に数値化します。さらに姿勢の問題点をレポートとしてまとめられるので、専門知識がなくても簡単に詳細な姿勢分析が可能です。

シセイカルテの特徴②体の歪みを3Dアバターで可視化

AI姿勢分析アプリ

このままの姿勢を続けることで将来どのような姿勢になるかを、3Dアバターでわかりやすく表現します。治療院の皆さまには、このシミュレーションを患者さまの姿勢改善に対するモチベーションを高めるための効果的なコミュニケーションツールとしてご活用いただけます。

シセイカルテの特徴③分析結果に基づきAIがトレーニングメニューを提案

AI姿勢分析アプリ

身体状態にあわせた姿勢を改善するためのトレーニングメニューをAIが自動で提案します。営業感なく施術メニューを紹介可能です。

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姿勢改善トレーニングの例

姿勢の評価後は、改善用のトレーニングの指導もできるとより信頼感もUPします。

ここからは、姿勢改善に有効なトレーニングの例をご紹介します。

中殿筋エクササイズ

参考動画:https://youtu.be/M7rOaAtGF_A?t=1040

側臥位になって行うことが多い中殿筋エクササイズですが、負荷をかけて動的なエクササイズをしようとすると、片脚立位でのスクワットを行う必要があります。
バランス感覚に乏しい方や、年配の方には危ないトレーニングになりますので、対象はしっかり選びましょう。

股関節内定を制動させる働きがありますので、姿勢の改善の大きく寄与します。

肩甲骨プッシュアップ

参考URL:https://youtu.be/M7rOaAtGF_A?t=595

通常のプッシュアップの姿勢をとった状態で、両腕を軸にして前後に揺らすことで肩甲骨周りの柔軟性向上を図ります。主に前鋸筋をターゲットにしたトレーニングです。
肩甲骨周りの筋肉をほぐすことで、体幹の姿勢改善を図ります。

リバースプッシュアップ

参考URL:https://youtu.be/M7rOaAtGF_A?t=801

僧帽筋上部、および僧帽筋下部に対してのトレーニングです。
写真のような姿勢をとり、腹部を持ち上げる動作を繰り返します。
僧帽筋上部線維のストレッチをしながら、僧帽筋下部線維のトレーニングを行う効果を持っています。

5.まとめ

姿勢評価を適切かつ継続的に行うことで顧客満足度が向上し、経営改善にも直結します。

さらにスタッフによる姿勢評価を標準化したいという場合は、姿勢分析システムを導入すると、評価のバラつきを解消でき、より質の高いサービス提供が実現します。統一した機器を使用することで計測の手間を省き、長期的にはコスト削減も見込めますよ。

具体的にどんなシステムがあるのかを知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

姿勢分析アプリ10選|基本機能と治療院に導入するメリットを解説

 

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監修者紹介

杉山 史成(すぎやま ふみなり)


理学療法士として、回復期リハビリテーション病院や訪問看護ステーションにて12年間、患者様の治療に携わる。その経験を経て、株式会社Sapeetに入社。
シセイカルテ カスタマーサクセス部に所属し、理学療法士としての知見を活かしながら、各ご契約者様に寄り添った提案・サポートを行う。シセイカルテの監修も務める。

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