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電子カルテとは?導入する際のメリット・デメリット・注意点を徹底解説

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患者さんの情報をまとめ、管理を容易にしてくれる「電子カルテ」。しかし、電子カルテと一口に言っても、単純に紙カルテを電子化しただけではありません。

そこで当記事では、電子カルテの基本知識・導入するメリットやデメリット・注意点についてご紹介していきます。ぜひ電子カルテの導入を検討している方は、最後までご覧ください。

1.電子カルテとは

そもそも「カルテ」とは、患者さんの診察内容や処方薬について記載した紙媒体のことです。つまり、電子カルテとは「カルテを電子的なデータとしてパソコンやタブレットに保存できるもの」です。おそらく、この認識は皆さんが持っているものでしょう。ここでは、もっと深いところまで電子カルテを理解するために必要な知識を紹介します。

カルテを電子的に管理するシステム

「紙媒体であるカルテを電子データとして管理できるようにしたもの」が電子カルテです。

電子データとして管理できるため、紙と比較するとカルテ編集や検索も容易。さらに、事務作業の効率も上がります。また、厚生労働省の標準的電子カルテ推進委員会によると、以下のように定義づけられています。

『電子カルテについては、医事会計システム等の医療機関を構成する部門内の業務を効率的に処理するためのシステム、検査や処方等の指示と確認を関係する部門間でオンラインで実施するオーダー・エントリー・システムといった医療情報システムの発展段階を経て、患者の病状や治療経過等の多様な診療情報を電子的に保存し更新するとともに、保存された情報の検索・分析、閲覧等の機能を有するシステム』

参考:「標準的電子カルテ推進委員会」最終報告(案)

上記に引用した厚生労働省の報告からもわかるように、電子カルテはただ単にカルテの保存・管理を容易にするために作られたものではありません。電子カルテは患者さんのために、医療体系を整え、分析から適切な施術が届けられるように作られたものです。

電子カルテの普及率は年々上昇中

電子カルテの普及率は年々上昇しています。2011年には、一般病院(400床以上)での電子カルテ普及率は57%(参考)と半分を超えていました。さらに2019年には76.9%まで増えており、大きい病院では当たり前に導入されていると言っても過言ではありません。

しかしながら、2019年時点で診療所(無床)の普及率は39.0%。399床以下の病院では50%以下の普及率となっており、今後は小さい病院での電子カルテ導入が課題となってくるでしょう。この課題は治療院も例外ではありません。

クラウド化により医療の発展が期待できる

電子カルテには、インターネット回線を使って利用できるものもあります。

イメージとしては、インターネット上にカルテを保存し、必要な時にデータを取り出すというもの。いわゆる「クラウド」と呼ばれるシステムです。このクラウド型電子カルテは、データを全てインターネット上に保存します。

つまり、患者さんの状態を治療院間で共有できるということ。処方が難しい患者さんでも、データを共有することによって様々なアプローチ方法の提案が可能となります。

例えば、「当院では対処が難しいな」と感じた際に、他院にデータを共有して協力することで解決の糸口が見つかることもあるでしょう。このようにクラウド型電子カルテを利用することは、患者さんにより良い施術や提案ができることを助けてくれます。

2.電子カルテを導入するメリット

「電子カルテを導入するととにかく管理・編集が楽になる」というイメージを持っている方も多いと思います。実は、電子カルテを導入すると管理や編集以外にも様々なメリットがあります。ここでは、電子カルテを導入する具体的なメリットを5つ見ていきましょう。

記録業務が軽減される

電子カルテでは、あらかじめ用意されたフォーマットを用いて記入するため、記録業務をスピーディーに終わらせることが可能です。従来のように、紙カルテで記録をしている場合は、わざわざ書く項目を考えて記入するので面倒に感じることも多いでしょう。細かい部分ではありますが、業務上のストレスが一つでも軽減されるのは大きいメリットと言えます。

情報管理・検索が容易になる

電子カルテでは、電子データで保存するため非常に管理がしやすいです。例えば、必要なカルテを探すときもネットサーフィンと同じような感覚で検索可能。また、電子情報として管理するため、万が一の紛失という恐れもありません。また入力情報がすぐ反映されるので、情報の共有も容易です。紙のカルテだと時間がかかっていたことが、電子カルテなら楽にスムーズになるという点は大きなメリットでしょう。

人為的ミスを未然に防げる

紙に記入する場合、人がマニュアルで書くため、どうしても人による間違いが生じてしまいます。例えば、「字が読みづらく内容が分からない」「漢字を間違ってしまった」など、患者さんを相手する治療院において、起こってはいけないミスです。しかし、電子カルテなら、このような人為的ミスを防ぐことが可能。施術スタッフや事務スタッフの転記ミスがなくなり、余計な心配をすることもありません。また、書き間違いによる施術ミスを未然に防げるのも大きなメリットと言えます。このようにミスを防ぎながら、誰でも同じように情報を読み取れるのも電子カルテの魅力です。

保管スペースを確保する必要がない

電子カルテは、サーバーと呼ばれるネット上の図書館のような場所に保管されます。従って、院内にカルテ保管スペースを設ける必要がなく、保存するのは電子化する前のカルテや、あえて紙で保存しなければいけないカルテのみで十分です。そして、空いたスペースを有効活用できるので、より院内を広く利用できます。

データ共有が容易になり適切な施術を施せる

電子カルテを導入することで、データ共有が容易になります。他院とデータが共有できれば、患者さんに対して様々なアプローチが可能。他院との連携により、患者さんに対して今までよりも広い視野で、かつ高い可能性で適切な施術を施せます。また、簡単に共有できるおかげで、行政機関などの関係機関へカルテを提出する際もスムーズに行えます。

問診票との連携によるさらなる効率化についてはこちらの記事も参考にしてみてください。

3.電子カルテを導入するデメリット

導入メリットがたくさんある電子カルテですが「注意しなければいけない点」もいくつかあります。ここからは、電子カルテ導入のデメリットを見ていきましょう。

移行に手間がかかる

これまで紙カルテを導入していた場合、以前までの情報を電子カルテに移行する必要があります。従って、院内スタッフだけで移行を完了させるのは非常に手間暇がかかるため、導入の際にサポートがあるかどうかチェックしておきましょう。

最低限電子カルテを導入する際は「写真データで移行が可能か」「紙データからの移行を代行してくれるか」などを確認してから導入してください。

導入や運用にコストがかかる

電子カルテの導入には、多大なコストがかかります。初期費用はもちろん、毎月の運用コストを必要とする場合も多いです。

導入した分だけ楽になるのは確かですが、まずは費用と相談しながら導入を決定しましょう。自院に必要な電子カルテシステムをしっかりと見極め、余計なコストがかからないようにするのがおすすめです。

電子カルテの費用についてはこちらで詳しく解説しています。

システムに慣れるまで時間がかかる

電子カルテは紙とは全く運用方法や管理方法が違います。そのためスムーズに運用するまでには、電子機器に対して慣れることが必要です。

もちろん電子機器の扱いに慣れている方であれば問題ありませんが、スタッフの中には「電子機器は苦手」という方もいらっしゃるでしょう。電子カルテの機種によっても操作方法も異なるため、まずは慣れるまでの練習期間を設けたり、研修を行うことが大切です。

停電時に利用できなくなる

電子カルテはパソコンやタブレットなどの電子機器を利用しているため、停電など電気が止まった際には利用できなくなることがあります。万が一停電になった時のために、カルテの入力・診察予約などは紙でも出来るよう準備しておきましょう。

セキュリティ対策が必要となる

カルテに記載されている情報は個人情報です。従って電子カルテは徹底したセキュリティ対策が必要になります。主に気を付けたいのは以下の3つです。

  • データ漏洩
  • USBデータ移行が容易すぎないか
  • ウィルス対策

電子カルテを導入する際は、電子情報の取扱に対して院内でルールを設けるなど、工夫を施しましょう。

4.電子カルテを導入する際の注意点

電子カルテと聞いて、なんとなく業務が楽になりそうと思ってしまう方は多いです。これまで紹介した通り、電子カルテは導入するメリットは非常に大きなもの。しかし、導入する前に「自院に見合った電子カルテかどうか」の見極めが非常に大切です。最後に電子カルテを導入する際の注意点を3つ見ていきましょう

ランニングコストは適切か検討する

電子カルテのランニングコストはメーカーによって大きく異なり、「導入は無料だけど維持費が相場より高い」「初期費用は高いが、維持費・メンテナンス費が安い」など、料金プランは多種多様です。

まずは自院に見合ったランニングコストで導入できるメーカーを探すようにしましょう。また、一社目で決めるのではなく、多くのメーカーと比較したうえで、最適な電子カルテ環境を見つけることをおすすめします。

業務形態に合ったシステムを導入する

電子カルテには様々なシステム体系がありますが、主に「オンプレミス型」と「クラウド型」に分類されます。

オンプレミス型

オンプレミス型は、サーバーなどの情報システムを自社に設置する運用方法です。自社内で全てまかなうので、セキュリティ面で管理がしやすいのがポイント。

しかし、システムのトラブルが発生するたびに大きな費用が必要となります。メーカーによりますが、初期費用の相場は300~500万円程度。レセプトコンピューターと呼ばれる医療用パソコンを導入する場合は、さらに費用がかさむので要注意です。

確かに、院内でシステム環境が完結するため、使いやすくカスタマイズしたり独自のセキュリティ対策を設けられるメリットはあります。その一方で、システムに関する知識が必要だというデメリットもあるため、導入難易度は高めです。

クラウド型

クラウド型は、メーカー側がサーバーやシステム運用をしてくれる形態のことです。複雑な設定などを強いられることもなく、オンプレミス型に比べて費用を抑えらえるのが大きな特徴です。

メーカーによっては初期費用が無料の場合もあるので、コスト面で電子カルテ導入を迷っている方にはピッタリのシステムと言えるでしょう。オンプレミス型よりも自由度という面では劣りますが、ひとまず電子カルテを導入したい人は迷わずクラウド型を選んで問題ありません。

サポート体制があるか確認する

電子カルテの取り扱いは、操作に慣れるまでが大変です。皆さんも、初めて使う電化製品の取り扱いに苦労した経験はありませんか?電子カルテなども一緒で、中々取り扱い方が理解できない製品だと、現場に馴染まず使われなくなる場合も考えられます。

従って、電子カルテを導入する際は、必ず担当者が機器の取扱説明やサポートをしてくれるかどうかもチェックしておきましょう。スタッフ全員がスムーズに電子カルテを使えるようにするために、万全のサポート体制をしてくれるメーカー選びが大切です。

また、機器にトラブルが生じた際にもすぐに対応してくれるかどうかも確認しておきましょう。導入だけでは終わらないメーカーを厳選することが大切です。

カルテや問診票などのデジタル化についての活用事例は以下記事も参考にしてみてください。

パーソナルジムREAL WORK OUT西荻窪店様のマルチカルテ導入事例

整体院のマルチカルテ導入事例(くぼてらたかひろ BODY MEAINTENANCE様)

歯科医院のマルチカルテ導入事例(くろさき歯科様)

5.まとめ

電子カルテについて基本的な知識や導入する際の注意点などをご紹介しました。治療院にとって電子カルテを導入することは、大きなメリットとなります。

しかし、ただ「便利そう」という感想だけで電子カルテを導入してはいけません。業務効率アップのためなのか、それとも情報共有のためなのかなど目的を明確にしてから、電子カルテの導入を検討しましょう。ぜひ電子カルテを検討する際は本記事を参考にしてみてくださいね。

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