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レセプト返戻とは?レセプトが返戻されてしまう理由や再請求方法を解説

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保険請求を行う上で必要不可欠なレセプトの作成。このレセプトに不備があった場合は返戻され、再請求を行わなければなりません。しかし、初めてレセプトを取り扱う人にとっては、非常に難しく理解しにくいこともあるでしょう。

そこで当記事では、レセプト返戻について、「レセプトとは」「レセプト返戻について」「返戻される理由」「再請求方法」など5つのポイントを解説します。ぜひ最後までご覧ください。

そもそもレセプトとは?

レセプトとは診療報酬明細書とも呼ばれており、医療機関が健康保険組合(以下 、保険者と呼ぶ)に対して請求する診療報酬の明細書をいいます。

「日付」「患者氏名」「健康保険証の記号番号」「保険者名」「傷病名」「診療内容」「医療機関名」などの記載項目があり、診療に関わる情報を記載しなければなりません。

このレセプトは、健康保険が適用となる治療を行い、保険者へ請求するために必須なので、必ず作成しましょう。

レセプト返戻とは

本題であるレセプトの返戻についてご紹介します。そもそもレセプトの返戻がどのようなものか、よく言われる査定との違いは何かなど、レセプトに関わる情報をまとめました。早速、見ていきましょう。

レセプト返戻とは?査定との違い

レセプトの返戻とは、「保険者」や「審査支払機関」に対してレセプトを提出した後に、審査で「不備」や「誤り」があって差し戻されることをいいます。

例えば、記載不備で医療行為が適用される診療かどうかの判断が難しい場合や、そもそも誤った書き方をした場合に返戻が行われます。

返戻された際には、返戻になった理由が書かれている「返戻付せん」を確認し、再度「不備」や「誤り」を修正することによって、再請求可能です。

またこれは紙レセプトで請求を行った場合であり、電子レセプトの場合は、オンラインで返戻のやりとりが行われています。

一方でレセプト査定は返戻とは異なり、「保険者」や「審査支払機関」が、再請求のフローを行わずに項目修正や減額、減額調整を行い報酬を支払うことです。

これは、レセプトを提出して査定が行われた後、適切でないと判断された場合に実施され、「増減点連絡所(通知書)」と呼ばれる文書が医療機関に送付されます。

査定が行われたレセプト請求に対しては、再請求を行えませんが、どうしても納得できない場合において再審査の申し立てが可能です。

レセプトの作成は慎重に行わなければならず、最悪予定していた報酬から下がってしまうケースもあります。経営に関わる重要なポイントなので、間違いがないようにレセプトを作成しましょう。

レセプト返戻を行う2つの機関

レセプト返戻を行っているのは、「社会保険診療報酬支払基金」と「国民健康保険団体連合会」といった2つの審査支払機関です。それぞれ取り扱っている保険者が異なるため、認識しておきましょう。

例えば「社会保険診療報酬支払基金」では、協会けんぽ・健康組合・共済組合・公費実施機関などの保険者の審査を担当。

再請求する際は、月遅れレセプトとして再び「社会保険診療報酬支払基金」へ提出しなければなりません。その後「社会保険診療報酬支払基金」は協会けんぽや健康組合に対して再請求を行っています。

一方で、「国民保険団体連合会」は保険者である市区町村や国民保険組合から委託を受けて審査や支払いを行っている機関です。審査や返戻に関しては、「国民保険団体連合会」に設置されている「国民健康保険診療報酬審査委員会」によって行われています。

レセプト返戻時に送られてくる書類

レセプト返戻時に送られてくる書類は、機関によって異なります。それぞれで送られてくる通知書は下記をご参考ください。

社会保険診療報酬支払基金 国健康保険団体連合会
・当座口振込通知書

・受付エラー連絡票

・増減点連絡書

・返戻内訳書

・受付エラー連絡票

・突合点検結果連絡書

・増減点連絡書

・返戻内訳書

・照会付箋

・月遅れ請求分に係る増減点返戻通知書

社会保険診療報酬支払基金の場合は、「増減点連絡書」と「返戻内訳書」の2つが特徴的です。

一方、国民保険連合会の場合は、「増減点返戻通知書」と呼ばれるものが送られてきます。

それぞれの書き方や詳細については、下記サイトをご参考ください。

社会保険診療報酬支払基金

国健康保険団体連合会

レセプトが返戻されてしまう理由

できれば一回の請求でレセプトの審査を通し、再請求をしなくても良いようにしたいものですよね。そのためには、返戻される理由について知っておかなければなりません。

ここからは、なぜレセプトが返戻されてしまうのか、返戻対象となる主な理由を3つ紹介していきます。

誤った請求を行なってしまった場合

レセプトが返戻される理由の1つとして、誤った請求を行っているケースがあげられます。このケースで特に多いのが、柔道整復師による請求。柔道整復師も医療機関同様に受領委任払いが適用できる職種です。

受領委任払いとは、施術にかかった費用を患者様から直接いただくのではなく、施術者が立て替えて保険者に対して請求するもの。

ただし柔道整復師は、保険が適用となる症状とならない症状が制限されていたり、通院機関に関するルールが設けられているなど、厳しい条件があります。この条件をしっかりと確認した上でレセプトを作成し、請求しましょう。

その他、柔道整復師にかかわらず、患者様の症状と施術内容が一致しないケースや、診療報酬点数を間違えるなども、レセプトが返戻される原因です。いずれも正しい知識を身につけた上で、保険請求を行わなければなりません。

誤記などの事務手続きでミスをした場合

レセプトの返戻において一番多いケースは、番号・記号などの表記を間違えてしまったり、署名がなかったりなどの事務手続きミスです。

例えば、患者様の保険証の番号記入も、事務手続きミスに繋がる1つのポイント。保険証は最低でも月に1回、必ず提示してもらい内容に変更がないか確認しましょう。

仮に保険者が同じ場合でも、番号だけ変更されているケースもあるため、念入りな確認が大切です。

また障害などにより署名が難しい場合、代筆で署名できますが、被保険者の押印が必要なことを覚えておきましょう。

そのほか、レセプトにかかわる細かい注意事項は、各保険者のルールを確認してください。

保険法などのルール違反をした場合

最後にレセプトが返戻されるケースとして、保険法などのルールに違反した場合があげられます。

例えば、保険法では医科診療と柔道整復師による保険診療の併給は認められていません。また、医科優先の原則によって、医科による請求が優先されてしまいます。

もちろん、被保険者が医師にかかっている期間であっても、柔道整復師の施術を受けることは可能です。しかし、この場合は自費診療となるため、注意しましょう。

その他、通院していなかったとしても、薬をもらっている期間が重なっていると併給扱いになるため、医科診療が優先されます。

患者様は、このようなルールを知らずに訪れている場合があるので、事前にしっかりと聞いておくことが大切です。

返戻されたレセプトの再請求方法

レセプトが返戻された場合、どのようにして再請求を行えばよいのでしょうか?

ここからは、「返戻されたレセプトの再請求の流れ」「紙レセプトか電子レセプトによる請求方法の違い」「その他再請求に関わるルール」の3点についてご紹介します。

レセプトを再請求するまでの流れ

レセプトが返戻されるタイミングから、どのような流れになるか順番に解説していきます。

  1. 審査支払機関からレセプトが返戻される
  2. 返戻時の書類を確認し修正
  3. レセプトを再請求

基本的には、上記の流れで再請求を行います。

仮に1月にレセプトを提出し請求を行ったとしましょう。このレセプトは、2月中に審査支払機関と保険者によって審査され、3月初旬頃を目処に返戻が行われます。

その後、3月10日までに月遅れレセプトとして再請求。問題がなければ4月に診療報酬が支払われます。

紙レセプト・電子レセプト別の請求方法

レセプト請求を行う際は、紙レセプトと電子レセプトの2種類方法があります。

紙レセプトで請求を行った場合は、返戻があった際にレセプトの写しと返戻内訳書を確認し、追記・修正を行います。

追記・修正を行う際は、レセプトの写しを印刷するのではなく、返戻されたものをそのまま使いましょう。

もし、どうしても印刷して使わなければいけない場合は、返戻時に送られてきた写しと一緒に添付しなければなりません。再請求する際は、注意しておきましょう。

一方、電子レセプトの場合、審査支払機関からダウンロードしたレセプトデータをレセプトコンピューターに出力することで、オンライン上のやりとりだけで完結させられます。

レセプトコンピューターによっては出力方法が異なるため、各メーカー等に確認してから行ってください。

その他、修正については紙レセプトも電子レセプトも地方によって異なる場合もあるため、疑問が生じた際は必ず審査支払機関や保険者に問い合わせしましょう。

返戻レセプトの再請求期限を守ること

療養費に関する請求期限は「保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によって消滅する」と、健康保険法第193条によって定められています。

この2年とは、患者様が受診して料金を支払った日から計算し、返戻に関わる期間も含まれるため、早めに請求・再請求を行なわなければなりません。

2022年10月から返戻再請求がオンライン化される方針

紙レセプトと電子レセプトによる請求方法をお伝えしてきましたが、2022年10月からは返戻の再請求はオンライン化とする動きかみられています。

厚生労働省によると2021年の1月22日に、審査支払機能の見直しを行い、2022年10月には医療機関等における返戻再請求をオンライン化すると発表しました。

紙レセプトを減少させる動きがあり、今後オンライン申請ができるようにシステムに機能を追加するなどの対応が求められてくるでしょう。

返戻再請求のオンライン化については、下記サイトをご確認ください。

全日病ニュース・紙面PDF(2021年2月15日号)

まとめ

レセプトの返戻時にどうするか考えることも大切ですが、請求時からミスを出来るだけ減らして、余計な手間をかけないようにすることが重要です。

同時に、事務作業の効率化を図りながら、適切にレセプトを作成しなければいけません。常に請求時から間違いのないレセプト作成を心掛け、返戻が行われた際にはしっかりと追記・修正できるように知識を身につけておきましょう。

 

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